不妊に漢方は効果ある?【7つの体質別の漢方まとめ】
病院やクリニックに通って不妊治療につつしむのもいいですが、
やはり体質改善も欠かせません。
そして、体質改善といえば漢方!
漢方には不妊症の改善に有効なものがたくさんあり、
医師の方針によっては積極的に処方されることもあります。
「●●なあなたに良いのはこの漢方!」
「〇〇に悩むあなたにはこれ!」といった風に、
あなたの体質ごとにピッタリの漢方が見つかるようにまとめてみました!
漢方で体調を整え、妊活していきましょう!
一部男性向けの不妊対策の漢方もありますので、チェックしてみては?
この記事の目次
不妊症に漢方が効く?
不妊症の原因は様々。
何かしらの疾患が原因の場合もありますし、
不摂生や体質によってホルモンバランスが崩れ、
生殖機能に不調を来してしまっている場合もあります。
不妊治療を受ける前、もしくは不妊治療と並行して
漢方薬を使用することで体質改善に成功し、
その結果として妊娠できたという人は実際にたくさんいます。
そんな話を聞くと、
ぜひとも漢方を試してみたいですよね!
どうして漢方が不妊症に効果的なの?
漢方薬はその人の体質に合わせて処方されるもの。
漢方は病気や体の不調そのものを治すというより、
【体の調子を本来あるべき状態に戻すこと】を目的としています。
本来あるべき状態になると、
人がもともと持っている力を高めたり治癒能力を
サポートできるようになるということですね。
そして、妊娠は生まれながらに備わっている女性の機能。
不妊の原因が何らかの疾患であることが明らかな場合は
まずその治療に専念しなければなりませんが、
不規則な生活習慣や長年の不摂生によってつくられた体質が
冷えやホルモンバランスの乱れを引き起こして
【妊娠を阻害】している場合、、漢方薬を使った体質改善はかなり有効だといえますね。
また、漢方薬は西洋薬と違って体への負担が少なく、
服用をやめてもすぐには不調が再発しにくいのが最大のメリットです。
漢方のデメリットというのもあります。
それは副作用が全くないというわけではないということ。
副作用が心配な場合でも
掛かりつけの医師や漢方の取り扱いのある病院で説明を受けたり、
相談をすれば、安心ですね。
体質別、漢方まとめ!
漢方を紹介する前に、大切なお話をします。
それは『体質』について。
東洋医学においてはこの『体質』はとても重要で、
漢方の選び方と密接に関係しています。
というのも、体質に合わない漢方を服用しても効果を得られないばかりか、
更なる不調を招いてしまうこともあるから。
さらに、ここでいう『体質』とは私たちが通常知っているものとは少し違います。
東洋医学における『体質』は独特の概念から成り立つもので、
気(き:生命エネルギー)、血(けつ:血液、血流)、水(すい:血液以外の体液)の
バランスによっていくつかのタイプに分けられます。
特に不妊の原因になりやすいといわれているのが①~⑤までの5つ。
ばっちり当てはまってしまった人も安心してください!
次項で体質ごとにあなたに合った漢方を紹介します!
以下の7つの体質とその特徴から、自分がどのタイプか判定してみましょう!
①血虚(けっきょ):血液不足タイプ。
・疲れやすく、いつもなんとなくだるい
・集中力がない
・爪がもろい
・眠りが浅い
・めまいや立ちくらみが多い
・肌が乾燥して髪がパサつく
・生理の経血が少ない
血虚タイプに合う漢方
・婦宝当帰膠(フホウトウキコウ)
女性特有の機能の不調を改善し、貧血や冷え性、生理痛、
生理不順、更年期障害などの症状を緩和します。とても有名な漢方薬で、血液を増やす作用のある
当帰の含有量がとても多いのが特徴。実際に服用することで、基礎体温グラフの波形が
理想的な形になったなんていう人もいます。・当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
こちらも当帰を含んだ漢方薬。
足腰など下半身が冷えやすくて顔の血色が悪く、汗が出にくい人向けです。
血液を増やすことで全身に栄養をいきわたらせ、血行を促進します。冷え性や生理不順の改善、むくみ、
更年期障害を改善する作用があります。・温経湯(ウンケイトウ)
月経異常や不妊症に悩む人によく処方されるほか、
湿疹などの皮膚異常にも用いられます。冷え性持ちで体力は少な目、
皮膚や唇がかさつく人に向けの漢方で、
体を温めることで冷え性を改善し、生理不順や生理痛、
更年期障害の緩和に用いられます。
②瘀血(おけつ):血流不良タイプ
・イライラしたり落ち込みやすい
・顔色がなんとなく黒っぽい
・慢性的な肩こりや頭痛
・目の下にクマがある
・生理痛がひどい
・口の中が渇きやすい
瘀血タイプに合う漢方
・桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
体の中でも下半身の冷えがひどく、
生理前~生理前半の不調が辛い人向けです。瘀血タイプは血流が滞って上半身はのぼせやすく、
下半身は冷えやすくなります。この漢方は血流を促進することで生理不順や生理痛を緩和し、
子宮内膜症や子宮筋腫など多くの婦人病の治療にも用いられる他、
ホルモンバランスの乱れが原因の肌荒れや肝斑の治療にも使われます。・桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
のぼせて便秘しがちな人向けです。
瘀血を改善して血液循環を良くすることで生理不順に効果を発揮するだけではなく、
便秘を改善したり不安やイライラなどの精神状態を鎮めてくれます。・田七人参(デンシチニンジン)
田七人参には様々な効果・効能があり、とっても優秀な漢方です。免疫力増加や疲労回復作用に加え、精力増強効果もあり、
男女問わず健康の増進と維持に有益だと言えるでしょう。その中でも血液の滞りを改善する力が強く、
月経異常や子宮内膜症などを改善することで不妊症に効果を発揮します。
③気虚(ききょ):エネルギー不足タイプ
・疲れやすくなんとなくだるい
・食が細い
・やる気が出ない
・風邪をひきやすい
・胃下垂、胃腸が弱く下痢をしがち
・皮膚や筋肉がたるんでいる
気虚タイプに合う漢方薬
・補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
体力が低下していて、特に胃腸の働きが衰えている人向けです。滋養強壮作用と水分循環促進、血行促進、さらには
胃腸の働きをよくする生薬も入っているため、
体力の低下に悩む人、または体力の低下によって不妊症が
引き起こされている人にはぴったりです。精力減退した男性不妊の用いられることも多く、
精子の数や運動量などの質を向上する作用があります。
④気滞(きたい):気の巡りが悪い
・イライラしたり、憂鬱感がある
・喉が詰まった感じがする
・不眠、明け方に目が覚める
・ストレスに弱い
・顔が赤くなりやすい
・冷えやのぼせがある
・生理前にイライラしやすい
気滞タイプに合う漢方薬
・加味逍遥散(カミショウヨウサン)
疲れやすくイライラしがち、さらには肩こりがひどい人向け。冷え性や虚弱体質、更年期障害や月経関係など、
女性ホルモンのバランス変動によって起こる
精神不安や妊娠・出産に関わる諸症状を改善します。生理周期によってメンタルの落差が大きく、
精神的に疲れやすい人にはぴったりですね。
ストレスの緩和は不妊症対策のためにも重要です。
⑤腎虚(じんきょ):腎が弱っているタイプ(わかりやすく言うと老化)
・慢性的な疲労感や倦怠感
・物忘れが増えた
・見た目年齢が実年齢より老けがち
・抜け毛や白髪が増えた
・頻尿
・耳鳴りやめまいがする
・無排卵月経や無月経など生殖機能の衰え
腎虚タイプに合う漢方薬
・六味丸(ロクミガン)
体力があまりなく疲れやすい人向けの漢方。
東洋医学でいう腎とは単に腎臓を指すわけではなく、
生殖器やホルモン分泌、免疫系などを指します。それらの体の弱ってしまった機能を補うことで体力を回復し、
足腰や泌尿器、生殖器などの衰えを改善して不妊症にも効果を発揮します。・八味地黄丸(ハチミジオウガン)
六味丸と同じく、体の弱った機能をサポートして
我々が本来持っている力を高めてくれます。一般には高齢者に用いることが多く、排尿困難や夜間頻尿の治療に使われますが、
不妊治療の場合は卵巣のアンチエイジングを目的として処方されます。・紫河車(シカシャ)
プラセンタといえばわかりやすいでしょうか。生殖器の機能をサポートしてくれるだけではなく、
強壮作用を持つほか美肌効果やアンチエイジング効果も期待できます。女性の妊娠に必要な栄養をすべて含んでいるという驚くべき漢方の一つで、
他の漢方と併せて処方されることもあるそうです。
⑥陽虚(ようきょ):冷えタイプ
・手足がいつでも冷たい
・人が寒がらない場所でも寒がる
・下半身が冷えやすい
・顔色が青白い
陽虚タイプに合う漢方薬
参茸補血丸(サンジョウホケツガン)
冷え性、貧血、不妊、妊娠、産後の回復をサポートなどの効果があります。
⑦実熱(じつねつ):熱がこもりやすいタイプ
・喉が渇きやすい
・汗っかき
・暑がりで顔が赤くなりやすい
・目が充血している
・便秘
実熱タイプに合う漢方薬
特に更年期に差し掛かるとホットフラッシュなどもあります。
そんな時は、瀉火補腎丸(シャカホジンガン)
または知柏壮健丸(チバクソウケンガン)と
呼ばれる漢方があります。
いかがだったでしょうか。自分の体質は判断できましたか?
上記の体質は必ずしも一人1タイプというわけではなく、
複数のタイプを併せ持っている場合も多くあるようです。
漢方選び、不妊対策の漢方選びの基礎として
知っておくと便利です。
まとめ
最近は薬局でも手軽に手に入れられる漢方ですが、
でたらめに選んでいては、きちんとした正しい効果を得られません。
漢方による体質改善は場合によっては少し時間がかかるかもしれませんが、
慌てず続けて妊娠しやすい体を作りましょう!